いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

公私混同

先日に続き、また小保方さんのことについて。

彼女が会見をしたあと、テレビでは、それを検証する番組が続いている。
新聞などでも、素人からプロまでいろんな意見が交わされている。
それだけ、この一連の出来事は、いろんな意味を内包しているのだなあと
改めて思う。
だって、生活の中に科学なんて意識さえしない、おばさんの私だって
このことについて、語りたくなるのだ。

いろんな人が、いろんな意見を述べているが
その中に、STAP細胞の有無だけがこのことの最大の論点だと
言っている新聞投稿を目にしたけれど
いやいや、この問題はただ単に科学や研究の側面でなく
人間とか仕事に関する哲学の問題ではないかと思うのだ。

科学の世界で(科学じゃなくてもいいんだけど)
誰も知らない未知のものを発見したとき
それがあるんだということを
みんなにわかってもらうためには
既知のものを使って証明するしか方法がない。

目にすること、耳にすること、感じること。
個人の体をとおして、発見したことを
証明するには、共通認識している言語や
数式や加工されていない現像を示し
「ほら、あったでしょ!!」と
見せることでしか、自分の体験が事実であることを
理解してはもらえない。

根拠のない話や、証明する必要のない話
すなわち、自分の体験話は
プライベートな空間で
友達や、気心が知れた者の中で
話すから、成立するのだ。
信じる信じないは、根拠や証拠でなく
人格がもの言う関係性の中にあるからだ。

ビジネス社会で、もし、このような話をしたら。。
その人は、相手にされないだろう。
彼女は、それをしてしまったのだと思う。
科学に対して、未熟であるとか不勉強とか言う前に
社会人としての前提を持ち得ていなかったんじゃないかなあ。

証明できていないことを、それでも存在すると言いきることは
ビジネス社会では、あり得ない。
STAP細胞は、あります」と断言する彼女の姿に
奇妙な違和感を覚え、その気持ち悪さが何なのかと思ったら
「公私混同」
そんな言葉が頭をよぎった。