いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

警察官と白ごはん

長男は、今月6才の誕生日を迎えた。
先日、彼が通うこども園で9月生まれのお誕生会があった。
年に一度の息子を含めた、9月生まれさんたちの主役の日だ。

会では、誕生日を迎えた子たちへの
インタビューが恒例となっている。
「大きくなったら、何になりたいですか?」
「好きな食べ物は、何ですか?」などの
質問に答えていくそうだ。

今年、息子は「大きくなったら、警察官になりたい!」と
言ったそうである。
警察官の「け」の字も聞いたことなかったのに。。
誰にも言わず、インタビューの答えを
考えていたのかと、その息子の姿を想像し
思わず、にやっと笑ってしまった。
しかし、笑ったことをすぐに反省させられる。
何せ、彼は、かなり真剣だったのだ。

その日の夕食のこと。
息子は、いつもおかずを全部平らげた後
ごはんにふりかけをかけて食べるのだが
「警察官は、白ごはんを食べるよね!」と急に言い出し
真っ白なごはんを、黙々と食べ始めた。

そうそう、警察官と言えば、白いごはんだよね!!
えっ? なになに?それって?

白ごはんにふりかけをかけるなんて
警察官になる僕は、そんなあまちゃんではないのだと
ごはんをかき込む彼の後ろ姿には
しっかりとそう書かれていた。

そして、翌朝のこと。
息子の朝食は、いつも納豆ごはんである。
お箸では、食べにくいので、納豆ごはんだけは
未だにスプーンで食べているのだが
「警察官は、納豆ごはんをスプーンでは食べないよね!」と
言い出し、果敢にも箸で食べようと試みた。

いやいや、ここで納豆をべたべたぼろぼろ
こぼされたらたまらない。
「警察官も、納豆ごはんはスプーンで食べるから
大丈夫だよ」と声をかけると
納得したかのように、スプーンに持ち替えた。
フーーッ。

警察官の凛とした強そうなイメージに近づくため
まずは、ふりかけとスプーンを卒業しようと
挑戦する息子に、母は、感動した。
そして同時に、?マークが頭の中を飛び交った。
なんで、真っ先に警察官とごはんが結びついたのだろう??
まあ、深いことは考えまい。
白いごはんを食べて
納豆ごはんをお箸で食べて
きっと警察官になれるよ、と彼に声をかけた。

すると、インタビューでひとつ答えられなかったものがあると
息子が私の耳元で、恥ずかしそうにこそっと言うのだ。
それは、自分の誕生日であったらしい。
おっと、警察官への第一歩は
まずはそれを覚えることから始めましょうか、息子よ。