いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

白いウインナー

おとといは、長男の秋遠足の日だった。

小学校は給食だから
息子のお弁当を作るのは年に数回。
だから、張り切って作る。

彼が起きる前に、お弁当を作り終えることが鉄則。
起きてすぐにお弁当を覗き込む息子の顔を
見たいから。

さて、今回も鉄則通りに作り終え
彼が起きてくるのを待つ。
起きてまっすぐお弁当を覗き込んだ息子は
ブッスーーとした顔をした。
「こんなのイヤだ」

えっー、なんで!?
たまご焼きの出来映えはまあまあだったし
おにぎりには大きなノリをまいた。
大好きなからあげとウインナーを入れ
少々お高かったミニトマトを奮発して買って
彩りに入れたというのに。。
えっー、なんでよお。。

そして、息子が一言。
「ウインナーの色が違う!!」

前日、いつもとは違うウインナを買ったのだった。
発色剤の使われてなかったそれは
いつものより、ちょっと色が白かった。
だから、おいしくなさそうだと言うのである。

体にいいし、味もいいし、
なにより遠足なんだからと
いつものより高いのを買ったのが
裏目に出てしまった。

いくら体に良くったって
食べ物は、目でも食べるし
心でも食べる。
そのことを忘れて、自己満足の
ウインナー選びになってしまっていた。

作ったお弁当をあらためて見て、思う。
確かに、いつものウインナーの方が
見た目おいしそうだなあ。。
たまに食べるウインナーくらい
彼の好きなものにしてあげればよかったああー

珍しく猛省した私は
息子に謝った。
「ごめんね。」
あれほど、機嫌の悪かった息子は
気を取り直してくれた。

楽しかったと帰ってきたお弁当の中身は
見事に空っぽだった。
白いウインナーのことは
もう互いに話題にしなかったのである。