いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

一事が万事

近所に肉屋がある。
昔ながらの肉や!!という感じの店内で
結構気に入っていた。

ある日のことである。
いつものように、お肉を買い
お金を払おうとしたところ
店長らしき人物にこう聞かれた。
「レシートいりますか?」

買い物から帰って、家計簿を付けるのは
私のルーチンワークである。
いや、ほとんど趣味に近い。
その趣味に、レシートは必須である。
だから、もちろん
私の答えは、こうだ。
「いります!お願いします!」

すると、レジを打っていた店長らしき人物は
ちょっと不服そうな顔をして
昔ながらのレジスターの小計ボタンを
チャリ〜ンと押し
古めかしいレシートをよこした。

その行為の意味が
鈍い私には、しばらくピンとこなかったのだが
あるとき、はっと思った。

あー、なるほど、あれは
売り上げを計上したくがないために
レシートを出すのを渋ったのだ。
私がレシートが欲しいと言わなければ
きっと「しめしめ。。」という感じで
レジスターの小計ボタンは押されなかったはずだ。
私の買い物は、闇に葬り去られることになったのだろう。

でもさあ、主婦の日々の買い物なんて、たかが知れている。
その肉屋さんで買う金額なんて
1000円前後だ。
たったそれだけの売上げでもごまかすの〜!?
塵も積もれば山となる方式ってわけ〜!?
わあーー、せっこーーーい
思わず、叫びたくなる。

胸の内に湧き出た疑念は、あっという間に
広がっていく。
そこにはもう、負の想像しかない。

つまり、一旦、そういう目でそのお店のことを見てしまえば
そのお店のすることなすこと、すべて疑ってしまうのだ。
「なんか、あやし〜い。。」

このお肉、ホントに国産なの?
すごい古い肉だったりするんじゃないの?
グラム数だって、小細工しているんじゃないの?
次から次に疑いが出てきて
ついぞや、その店に足が向くことはなくなってしまった。

「一事が万事」
このことわざが、ふと頭に浮かび、ぞくっとする。
そうそう、今世の中を騒がせている
政治関係の話も
一事が万事的なものばかり。。

一事が万事
我が座右の銘としようぞ。