いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

上書き保存

息子になんとか勉強する習慣を身につけてもらいたいと
問題集を買ったり
手作りの問題を作ったり
動画を見せたりと
試行錯誤でいろいろとやってきたが
なかなかうまくいかない。

先日、新聞の書籍広告に目が留まった。
子どものやる気を引き出す勉強法的な本。。
この手の本は、これまでも何冊か読んだことがあったが
何となく気になって、即Amazonに注文した。

本が届き、早速読み始めた。
内容の多くは、聞いたことあるようなないようなことが多かったが
一つだけ、なるほどと思うことがあった。
それは、記憶は上書きされるということ。
だから、子どもが勉強する時間は
寝る前がいいとのことであった。

これまで息子にはずっとこう言って勉強させてきた。
「勉強が終わったら、ゲームしていいよ」
なるほど、息子の勉強は常にゲームに上書きされていたのか。。
どうりで、同じ問題を何回やっても間違えるはずである。

それを知って、ふと、娘のことを思い出した。
小学校入学後、娘は、学童から帰ってくると(そのときは私はまだ働いていた)
ずっとテレビを見続けていた。ビデオを見続けていた。
寝るまでの時間のほとんどをテレビの前に過ごす時期があった。

長女の小学校入学と同時に、今住む町に引っ越してきた。
彼女は、友達のいない小学校に入学し
友達のいない学童に入った。
それまで住んでいた地域は、人との距離が近い雰囲気があったが
今住む町は、人との距離感が遠い。
大人であった私や夫でも戸惑ったのだ。
娘の戸惑いはもっと大きかったはずだし
幼いがゆえに、それを言葉にして外に発散することができず
悶々としたはずだ。

娘があのころあんなにテレビの前から離れなかったのは
不安や戸惑いや、さまざまな出来事を上書きしたかったに違いない。
寝る寸前までテレビを見ることで
記憶を上書きしていたのだと今頃気づいた。

学校や学童は楽しいことばかりじゃない。
子どもは大人より柔軟だけど
子どもは大人より敏感だ。
学校から帰って、テレビやゲームで上書き保存したい子どもの気持ちが
なんだか痛いほど分かってきた。。