1967年から2027年までの60年間が
主人公である「手毬」の人生を中心に描かれる。
シングルマザーの母親の律子に振り回され
みじめな子ども時代を過ごした手毬。
高校生の時、母親が裕福な男性と再婚したことで
手毬は束の間、幸せな時を過ごす。
その後、結婚した手毬は、姫乃を生み、平穏な家庭生活を送っていたが
そこに、幼馴染のマーティルが現れ、彼女の人生は
思わぬ方向へと進んでいく。
ままならない人生を、それでも前を向いて生きていく手毬と律子、手毬の娘の姫乃。
そして、同時に彼女たちの人生と交錯する男たち。
タイトルの「落花流水」
この四字熟語を知らなかったワタシは
本を読み終えた後、この熟語の意味をあわてて調べた。
「水の流れに身をまかせたい落花を男に、落花を浮かべたい水の流れを女になぞらえて、男に女を思う情があれば、女もその男を慕う情が生ずるということ」。
鳥肌がたった。