いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「失われた町」三崎亜記

 

町が、失われる。。

 

ハッとした。

これは、本の中の世界ではない。

現実のこの世界で、町は、失われているではないか。

 

ロシアのウクライナ侵攻で

ミャンマーの軍事クーデターで

シリアの内戦で。。

 

考えてみると

自分の住むこの日本という国でも

町が失われ

そして今、現在進行形で

失われようとしていることに、慄然とする。

 

太平洋戦争下の

広島、長崎への原爆投下

沖縄の上陸戦。。

 

東日本大震災福島原発事故

地震や台風、豪雨などの自然災害

今なお続く、沖縄の基地問題。。

 

政治や行政が

人為的に町を失わせている場合さえある。

ダム建設のための、計画的な町の消滅

公共工事のための周辺区域の立ち退き

 

東京オリンピック開催のために

ホームレスの人たちへの強制立ち退きだって

人為的、計画的、町の消滅だろう。

 

町が失われるとき

人もまた、さまざまに失われる。

 

不条理を前に、人間は。。

永遠のテーマだと思う。

 

失われた町、、と聞くと

すぐに思い浮かぶのは

2011年の東日本大震災福島原発事故だ。

けれど、この本は、その5年も前、2006年に出版されていた。

予言めいた何かを感じずにいられなかった。。