いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

ゼロのウソ

今年の春、娘の中学校の卒業式で
いちばん驚いたこと。
それは、卒業する3年生の欠席が
あまりにも多かったことだ。

呼名されても返事のなかった子は
10数名いたと思う。
足早に次の生徒の名を呼ぶ担任の先生の姿と
それでも粛々と何事もないように
進んで行く式を
なんだかフシギな気持ちで眺めていたように思う。

「いじめゼロ」
「いじめ根絶」
こんなスローガンを目にすると辟易する。

いじめは、絶対になくならないと思う。
人間が人間である限り
社会がある限り、なくならない。
減少することができても
なくすことはできない。
だって、人間ってすごく愚かだから。
神様じゃないもの。

なるはずのないゼロを目指すより
いじめの被害を減らすことが
先決だと、あの卒業式を見て
つくづく思った。
こどもたちには、本当のことを
教えなければならない。
この世の中は、薄汚れていて
きれいな人間ばかりじゃなくて
みんなが大なり小なり煩悩を
持っていて。。
だから、いじめはなくならない。
ほら、おとなを見てごらんと。

いじめは災害である。
最も醜い人災である。
災害だから、ゼロにすることは
不可能だ。
いじめをなくすことより
いじめられたらどうすればよいのかという
防災マニュアルがあったらいいんじゃないかなあと思う。