いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

橋本治の恵み

橋本治さんが亡くなった。

急に彼の本が読みたくなった。

小林秀雄の恵み」

私は、その本を最後まで読めていなかった。
私の頭では、その文章にどうにもついていけなかった。
最初だけ読んで、根をあげて
あれからもう、数年が経っている。

本棚から引っ張り出した。
やっぱり難しい。
行きつ戻りつ読んでいる。
なかなか前には進まない。
だけど、数年前より読めるという手応えがある。

その手応えは何か。
前回は、彼の言葉を掴め損ね
今回は、彼の息づかいを感じる。
小林秀雄のなんたるか。
全霊込めて言葉を尽くす思いが伝わってきて
なんだかそのすごさに、ぞくぞくする。

小林秀雄の恵みを読みながら
橋本治の恵みに浴している。
そして、浴しながら
大きな恵みを与えてくれる人が
亡くなったことを改めて思い知らされた。