いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

聞き流す力

昔から、人付き合いが苦手な私。

若い頃、いわゆるコミュニケーション能力の高い人というのは
「話す力」がある人だと思っていた。

私は、話すのが苦手。
何言いたいのか分からないとよく言われるし
自分の気持ちをどう伝えたらいいのか言葉の選択に迷うのに
感情的になると言葉が爆発してしまう。
なるほど、だから、人付き合いが苦手なのかと思い込み
話す力をのばす本などを読みあさったが
全く改善しなかった。

話す力を伸ばすのは難しいそうだ、それなら
「聞く力」ではどうだろう。。
円滑な人間関係を築くためのハウツー本も
いつしか、話す力ではなく、聞く力の方に移行した感があるしと
それらの本を読み、人の話を心から聞き
相手が伝えたいことを聞き取るべく実践していたら
自分自身のエネルギーの消耗があまりに激しく
より良い人間関係どころの話ではなくなった。

普通の生活では、人間っていうのは
話し方の技術とか、話の中身なんて基本気にせず
とにかく、話したいのだけなのかもしれない。
話すためには、聞く相手がいなくてはいけない。

この場合、聞く相手はどうすればいいのか
話し手が話したいだけ話せるよう、聞き役に徹する。
聞き役に徹するためには、すべて聞いてたら身が持たない。
だから、聞き流すことが必要になる。

そうだ、人付き合いの極意は
「聞き流す力」にあるのだ!!

私はよく、子どもたちに向かってこう言う。
「人の話は、よく聞きなさい!!」

しかし、いくら言っても、娘や息子は
いつも右から左に聞き流す。
このことにいつも腹を立てていたが
実は、これは、子どもたち自らが本能に従って
人として生きるための「聞き流す力」を自然と鍛えているのかもしれないな。

学校では、先生たちの話をしっかり聞く子は、いわゆる良い子で
その逆は、いわゆるだめな子、とくくられがちだけど
「聞き流す力」を持つ後者の子どもたちの方ほうが普通で
本当に大人がフォローしなければならないのは
一語一句漏らすまい、人の話を聞かねばならないと思い込んでいる
前者の子どもたちの方かもしれない。

聞き流す力、、
我が子はしっかり備えることができて、ホッとしている。