いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

肌はこうして作られる

日曜日、電車に乗っていた。
春のうららかな陽気が心地よく、うとうとしていると
とある駅から、大学生らしき男の子4人が乗ってきた。

二人ずつ向かい合わせに座った彼らは
ひとりが全員に何やら配り始めた。
そっと顔を上げ見てみると
皮脂とりシートのようなものだ。
そして、4人全員それを手に
熱心に顔を拭き始めた。
小鼻の周り、あご、おでこ。
ふきふきふきふき。
それはもう、楽しそうに。

「この香り付きは、◯◯にしかないんだよねえ。」
「香り付きがいいよねえ。」
うっ、それって女の子の会話みたい。
電車内には、化粧水の香りがたちこめた。

「私たちの頃はねえ。。。男は。。」
などと、心の中のつぶやきもおばさん口調になってしまう。
なんせ、20年も前の話だもの。
時代も変わったものだなあと
目の前の彼らをふと見やった。

と、驚いた。。。
彼らの肌のなんと、すべすべしていること。
そのきめ細かな肌にうっとり見とれていて
あることに気がついた。

4才の息子のすべすべしたお顔をなでながら
「あーー、ひげなんか生えてこなければいいのにねえ。」
「このまますべすべお肌にいてくれたらいいのにねえ。」
といつも息子に口にしている私。

彼らの母もそうだったのだろうか。
そして化粧品会社の人たちもそうだったのだろうか。
女性の願望は実現した。
男の子のきれいな肌はこうして作られているのだ。
その現実が今こうして目の前にあることに
ちょっとドキドキした。


息子のすべすべお肌も作られてほしいなあ。
けれど、電車の中でのお手入れはダメだからね
とそっと思う一日であった。