いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

TOKYO1 ~息子~

10年ぶりに東京へ行った。
それは、息子を飛行機に乗せたかったから、そして
東京という都会を見せたかったからである。

もうすぐ、彼は50人ほどのこじんまりとしたこども園を卒園し
4月から、800人超の小学校へ通う。
その環境の変化は、幼い子どもにとって大きな負担である。
何せ、学校に行けば、人がやたらめたらにいるのだ。
先生だってたくさんいる。
心配性の息子のこと
一体この子は誰で、この先生は誰なんだ?と
悩む姿が目に浮かぶのだ。

もしかして、そんな心配なんていらないのかもしれない。
子どもの順応性はすばらしいものだし。
でも、やっぱり、心配なのだ。
一緒に学校に行くこともできない(もちろん!)
彼が困ったときに、すぐそこにいて助けてあげることもできない(もちろん!)

だから、せめて、彼の心の中に少しだけ余裕を入れておきたいと思った。
飛行機に乗って、たったの2時間で、知らない世界が広がっている。
これだけの人がひしめき合い、電車はひっきりなしに動き
街はエネルギーに満ちあふれ、今住む町とは違う世界が
すぐそこにあるのだと、感じてほしい。

学校の中で、彼が困ったとき
彼の心に写し取られた
飛行機から見た景色と
スカイツリーから眺めた夜景が
彼の力になってほしいと切に願った母である。

そんな母心も知らず、彼にとっては
ソラマチで父に買ってもらった
妖怪ウォッチグッズが、何よりのお土産となった。