いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

彼の生き方

数日前、仕事から帰ってきた夫がぽつりとこう言った。
「「相変わらず、自分がないよね」と言われたよ。」

その日、夫は久しぶりに友達とランチをした。
友達のリクエストのお店に行き
その友達が選んだメニューを確認した後
その友達が他の味も楽しめるようにと
夫は違うメニューを選んだらしい。
それは、夫が食べたかったものではなく
友人に食べさせたかったもの。
仲のよい友達のこと、夫のその気持ちを読んだのだろう。

レストランのメニューを決めることだけでなく
夫は昔から、たぶんにそんな感じだ。
夫とつきあい始めた頃、初めはそれを彼の優しさだと思い
慣れてくると、その優しさが実は
ただの優柔不断な男では!?と
イライラしたりしたこともあった。
しかし、あまりにこういったことが続くので
イライラ時期を通り過ぎると
夫は、自分を犠牲にしてストレスを抱えているのではないか
B型の私と違って彼はA型だし。。
逆にこちらがもんもんとしたりした頃もあった。

久しぶりに夫と食事を共にした友達の感想そのままに
夫は、相変わらずである。
でも、それは、夫に自分がないということではない。
夫は、相手に合わせながら生きている動物であることに
うすうす気づいてきた。
人は、自分を意識することで悩みを抱えていく。
自分がなければ、簡単に流せるものも
自分という柵で塞き止め、悩みを積み上げていく。
自分がなければ、どんなに楽だろう。。
自意識が過剰な私は
こんな夫の生き方を羨ましく思う。
と同時に、「自分がない」ということは
消極的とか個性がないということでなく
かなり、したたかな生存戦略ではなかろうかと
思ったりもするのである。(あー、意地悪な妻だこと。。)