いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

どうでもいいこと

夫は、はっきり言って、
私にとっては、どうでもいいことを
しょっちゅう訊いてくる。

例えば、季節の変わり目になると
半袖がいいか、長袖がいいかとか

下着は薄手にしたほうがいいか
そのまま厚手がいいかとか。

すこし、体調が悪いと
病院に行った方がいいか、行かない方がいいかとか。

あのさあ〜、子どもじゃあるまいし
どうでもいいことなんだから
自分で決めてよね!!

という言葉をぐっと飲み込むものの
「どっちでもいいんじゃない?」という私の返答には
その思いがたぶんにじみ出ているはずだ。

でも、なぜか、それらの夫の煩わしい質問に
そんなのどうでもいいじゃん!!とは
言えなかった。

夫には、遠慮なくずけずけとモノを言うけれど
なんとなく、そう言うのは、憚られた。
それは、夫への私の小さな思いやり?
それとも夫婦のマナー?
なんか、よくわからないけれど
その言葉は、無意識に封印していたらしい。

先日の夜のこと。
いつものようにまた、夫のどうでもいい質問が始まってしまった。

その日は、ちょっと蒸し暑い夜。
パジャマ代わりのTシャツの下に
肌着を着るべきか、着ざるべきか
それとも肌着だけでいたいけど
なんか格好悪いから
やっぱり上にTシャツを着た方がいいだろうかと
息子の宿題を見ている私の横で
夫が、Tシャツを脱いだり着たり
肌着を脱いだり着たりしている。

その日は、相手にするのが
なんとなく面倒くさくて
無視していたところ
隣にいた息子が夫に一喝した。
「そんなのどうでもいいじゃん!!」

息子も全く同じことを考えていた。
そして、その言葉を無意識のうちに
封印していた自分にも気がついた。

息子が私の声を代弁してくれたようで
あまりにおかしく、ひとしきり笑った夜だった。

息子に一喝された夫は、その夜
肌着姿で眠りにつきました。