いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

嵐の夜に

昨晩の雷はすごかった。
突然の激しい雨とともに、ピカピカゴロゴロドンドンが続く。
眠りに落ちかけていた夜11時頃、雷の音に飛び起きた。
びっくりしてとか、怖くなって起きたのではない。
夜のうちにベランダに干しておいた洗濯物が濡れてしまうという
生活感に満ちあふれた主婦的反応からである。

そうして、洗濯物を中に入れ、お風呂の窓を閉めると
雷鳴鳴り響く嵐の最中でも、私はすぐさま眠りに落ちた。
朝起きて、浴室乾燥機のリモコンが点滅しているのを見て
停電したことに気がついた。

子どもの頃は、雷が恐かった。
稲妻が光り、体を揺さぶるような雷の音に
父や母の元へ駆け込んだのは
命の危険を感じていたからだろう。

ところが、どうだ、今は。
嵐の夜、のんきに眠れてしまうのである。

これは、大人になって、図太くなって、何とかなるさと思えるようになったから
などとのんきに考えるにはあまりにまずい気がしてきた。
これは、おそらく、年を取って、頭が固くなって、本能を軽視して
思考と経験に頼りすぎた平和ボケから来る
危険察知能力の異常な低下である。
まずい、まずすぎる。

思考と経験に寄りかかり
今この瞬間を直視せず
功名心だけが先走り
未来も見えず、未来を描けない大人に
この国を任せるととんでもないことになるよなあ、、。

つまり、この国を守るのは、あの人でも、この人でもなく
一人一人の心のうちにかかっているのだと、寝ぼけ眼で考えた。