今年の米アカデミー賞
国際長編映画賞を
「ドライブ・マイ・カー」が受賞した。
そして、村上春樹原作のこの作品。
この映画が、アカデミー賞にノミネートされてからというもの
夫は、この映画がメディアで話題になるたびに
勝ち誇ったようにこう言う。
「俺、これ読んだから!!」
まるで、自分がこの原作を発掘して
映画にしたような勢いの自慢っぷりである。
人のふんどしで相撲を取る、、いやいや
ふんどしを見たことがあるというだけで
相撲を取った気分にでもなっているかのような夫に
それでも、どこかで、くーっと、悔しい気持ちになるのは
ワタシが、「ドライブ・マイ・カー」を
読んでいないからである。
アウトドア派で読書に縁のなかった夫が
コロナ禍を機に、本を読むようになった。
それが、夫の読書スイッチを押してしまったのか
しばらくは、村上作品ばかりをむさぼるように読んでいた。
ワタシは、夫とは逆にインドア派。
昔から本を読むのが好き。
10代の頃から、村上春樹の本は読んでいたので
夫が、読後、にわかハルキストになり
訳知り顔で語りはじめるのを
うんうんと聞きながら、
心の中では
こちとら、10代の頃から村上作品を読んでんのよ~ とか
それはもう、ワタシ、読んだも~ん とか
こっそり思っていたし
10代のときに読んだ「ノルウェイの森」を
アラフィフの夫が手にしているのを見たときは
ちょっと「きもっ。。」とさえ思っていた。
それなのに、それなのに
「ドライブ・マイ・カー」が入った
「女のいない男たち」という短編集を
ワタシは、読んでいなかった。
ふんどしを見逃した悔しさよ。。