いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

ふんどしの悔しさ

今年の米アカデミー賞

国際長編映画賞を

「ドライブ・マイ・カー」が受賞した。

 

濱口竜介監督、西島秀俊主演

そして、村上春樹原作のこの作品。

 

この映画が、アカデミー賞にノミネートされてからというもの

夫は、この映画がメディアで話題になるたびに

勝ち誇ったようにこう言う。

「俺、これ読んだから!!」

 

まるで、自分がこの原作を発掘して

映画にしたような勢いの自慢っぷりである。

 

人のふんどしで相撲を取る、、いやいや

ふんどしを見たことがあるというだけで

相撲を取った気分にでもなっているかのような夫に

それでも、どこかで、くーっと、悔しい気持ちになるのは

ワタシが、「ドライブ・マイ・カー」を

読んでいないからである。

 

アウトドア派で読書に縁のなかった夫が

コロナ禍を機に、本を読むようになった。

最初に手に取ったのが、村上春樹の「1Q84」。

それが、夫の読書スイッチを押してしまったのか

しばらくは、村上作品ばかりをむさぼるように読んでいた。

 

ワタシは、夫とは逆にインドア派。

昔から本を読むのが好き。

 

10代の頃から、村上春樹の本は読んでいたので

夫が、読後、にわかハルキストになり

訳知り顔で語りはじめるのを

うんうんと聞きながら、

心の中では

 

こちとら、10代の頃から村上作品を読んでんのよ~ とか

それはもう、ワタシ、読んだも~ん とか

こっそり思っていたし

 

10代のときに読んだ「ノルウェイの森」を

アラフィフの夫が手にしているのを見たときは

ちょっと「きもっ。。」とさえ思っていた。

 

それなのに、それなのに

「ドライブ・マイ・カー」が入った

「女のいない男たち」という短編集を

ワタシは、読んでいなかった。

 

ふんどしを見逃した悔しさよ。。