いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

不得意分野

この前の日曜日、夜のこと。
日曜日だというのに、9時過ぎには
私以外の家族がみんな寝てしまった。(早すぎるっ!!)

思わず、静かな休日の夜を手に入れた私。
こんな時って急に手持ちぶたさになる。
見るでもなく、リモコン片手に
テレビをぼーっと見ていたら
「あーーこの人だ!!」と思わず
声を張り上げそうになった。
テレビには、お笑い芸人の
ロバートの秋山が出ていた。

なぜに、この人だと叫びそうになったのかと言えば
知り合いのことがずーっと気にかかっていたからだ。
誰かに似ている、誰かに似ている、誰だっけ??と
しょうもないけれど、小骨がのどに突き刺さったあの感じが
ずっと続いていたのだ。
「あーー、ロバートの秋山に似ていたのだ!!」
その夜、私はひとり興奮し
明日、必ず夫に報告しようとウキウキしながら
その日を終えた。

さて、次の日、私は早速夫に報告しようとした。
と、待った!!
夫は、お笑い芸人に関して、変に疎いのである。
変に疎いというのは、癖の悪い疎さなのだ。
もし、彼が芸人という芸人を全く知らないのであれば
逆に、世間に俗されまくっている我が身を
恥ずかしくなりそうになるのだが
夫はそうではないのだ。
夫の芸人に関する情報には
タイムラグが生じているのだ。

さんざん使い果たされ、世間がとうに忘れかけているギャグを
まるで旬のネタのように披露し始めたりする。
そして、どこをどうしてそうなったのか分からないが
夫は、それを、今現在、最もはやっているギャグだと
思い込んでいる。
これを癖が悪いと言わずして、なんと言おうぞ。

ずっと以前流行った「ゲッツ!!」を
時を超えて、うれしそうに披露した時の
夫の自慢げな顔と、娘の困惑した顔を
私は忘れることができない。

そんな夫であるからし
果たして、ロバートという芸人グループの存在を認識しているだろうか。
そして、ロバートの中の秋山という個人を特定できるだろうか。
もし、分からなければ、ロバートの秋山の説明をする用意はある。
それでも、分からなければ、夫とふたりで
テレビでロバートの秋山を見るまでである。

「あのさあ、昨日テレビ見てて気づいたんだけど
◯◯さんって、ロバートの秋山に似てるよね!!」

そして、「ロバートの秋山って分かる!?」と
言葉を続けようとした途端
夫から、思わぬ反応が。
「あーー、似てる、似てる!!」

こんなにすぐに、彼の不得意分野に関しての
情報の共有ができたなんて信じられない!!
違う意味で、興奮した私は
ロバートの秋山を知っていた夫に向かって
必要がなくなったロバート秋山情報を
披露したのであった。