いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

自傷行為

大学生の長女は、この1年あまりで何度髪を染めたことだろう。
帰省するたびに、髪の色が変わっている。

といっても、ピンクとかグリーンとかパープルなどのカラーではなく
黒と金色に近い茶色の間を行ったり来たりなのであるが、、

田舎育ちの若い子たちが
高校卒業後、真っ先にすることは髪を染めることである。
娘も例外ではなく、黒い髪を茶色に染めることを楽しみにしていた。
そして、当然染めた。
一度染めれば、それで少しは満足するものだろうと思っていたが
何度も何度も染色する。。

彼女の傷んだ髪を見て、これはなんだろうと考えずにいられなくなった。

髪が傷んでも、染めることをやめられない。
もしかして、これは、自傷行為ではないだろうか。

私が若い頃は、染髪というと、いわゆる「ワル」と言われる人がするものであった。
なぜ彼らは、髪を染めたのだろう。
いろんな理由があると思うけれど
その一つには、彼らの置かれている状況が影響していたと思う。
彼らは、良くも悪くもいろんなものを抱えていた。
その抱えているものを自分では抱えきれなくて
相対的に示して
誰かに理解してほしくて
髪を染めていたのではないだろうか。
自分を髪を傷めることで、自分の存在を確認する。

髪を染めることは、ファッションの一つだと思っていたけれど
自分を変えたい、変わりたいと思うその欲望は
裏を返せば、自己否定だ。

多くの日本人が黒髪を嫌い、明るい色に染めたがる。
これほど、髪を染める国民がいるのだろうか。
日本の若者の自己否定感が低いことと
日本の若者が髪を染めることには
相関関係がありそうな気がする。

日本中の子どもたちが
カラーリングというファッションを隠れ蓑として
自傷行為をしているのかもしれないと思うと

「髪を染めてはいけない」などという校則の
なんとむなしいことだろう。

この国の子どもたちが
この社会から受けている傷は、相当に深い。

どうしたらいいのだろうなあ。。