いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「世界史の極意」佐藤優

 

 

30年以上前に通ったワタシの高校では

日本史と世界史と地理のどれかを選択することになっていた。

(たぶん、これ、のちのち、問題になったような。。)

 

カタカナの苦手だったワタシは

迷わず、日本史を選んだ。

 

で、そのまま

世界の地理や世界の歴史に触れることなく

大人になり、おばさんになったワタシは

新聞やテレビやネットで

世界のニュースを見ても

その背景がちっともわからないわけである。

 

だから、娘が高校生になって

日本史と世界史の選択を迫られたとき

迷わず、こう言ったよね。

「絶対、世界史だ!!」

 

母親の有無を言わさぬ圧力で

世界史を選択した娘だったが

思いのほか、彼女には世界史があっていたらしく

楽しそうに、とうとうと

ワタシに世界の歴史を話してくれるようになった。

 

ところが、哀しいかな。。

母は、ちっとも分らぬのである。

 

楽しそうに話す娘を見て、思った。

あーー、ワタシも世界史が知りたい。

で、ワタシは、その手で

まんが世界史全巻を、ポチった。

 

読んでみると、これが、なかなか面白かった。

世界の歴史が、なんとなく、ひととおり分かったような気になって

すっかり気分をよくしたワタシは

これで、世界のニュースが分かるようになるぞと

意気揚々とニュースに触れてみた。

ところが、やっぱり、いまいちピンとこない。

肝心なところが、やっぱり、分からない。

 

そんな時、本著を手に取った。

まんがをさらっと読んで得た

やっつけ仕事的な世界史の断片的な知識が

つながっていく感動を覚えた。

 

中学高校の授業や

まんがで得た世界史の知識というのは

ひらがなやカタカナやアルファベットなどの

文字を知ってる、文字を書けるくらいのものかもしれない。

 

1つだけでは何の意味もない文字を

取り出し、組み合わせて

言葉になり、文になり、文章になり、物語になって

人の心に届くように

 

歴史もまた

ある事象とある事象を組み合わせたり

派生させたり、時を超越させたりすることで

知識が生き生きと動き出し

今を読み解くことができる。

 

本著は、2015年に上梓されたものだけれど

今、読んでもとてもためになる。

 

ミャンマーの軍事クーデターや

ロシアのウクライナ侵攻が何なのか。

新聞やテレビの情報だけでは読み解くことができない

世界を知るための手がかりとなる1冊だ。

 

宗教や民族の概念に乏しい日本人が

断片的な知識や情報で

民族間、国家間、国内の紛争を論じるのは

危なっかしすぎると痛感した。