解剖医である養老先生と
精神科医の名越先生という著名な二人の対談本。
面白くないわけがない。
序章「「他人」をわかりたがる現代人」で
他人を理解できるという現代人の思いこみを指摘。
では、現代人はなぜそう思い込むようになったのか。
3章「「意識化」と「脳化」がもたらした弊害」
6章「判断を鈍らせているのは自分自身」で
現象と理由がよくわかる。
さらに、この思い込みによって生まれた現代人はどうなったのか。
1章「「わかる」の前に立ちはだかる他人の壁」
5章「世界を席巻するグローバリズムの「壁」」で
私たちが抱えているストレスがわかる。
では、そんな私たちは、通じ合うことができないことを前提に
どのように生きればよいのか。
4章「無理解の壁に向き合える「場」の力」
終章「「違和感」を持つことで主体的に生きる」で
その答えらしきものにたどり着く。
著者二人の豊富な経験や知識を交えた対談によって
読者は「理解する」ということの本質について
終始考えさせられるだろう。
裏表紙の「話せばわかるより、離せばわかる」