本著は、毎日新聞「人生相談」の回答者である著者の
これまでの掲載分がまとめられている。
ワタシは、毎日新聞の購読者。
新聞記事には、目を通さない日はあっても
この人生相談コーナーだけは、欠かさず読む。
特に、ヤマザキマリさんの回は楽しみ。
人生相談はおもしろい。
世の中、いろんな悩みがあるもんだなあとしみじみ思ったり
悩みに対して、こんな回答があるんだと、目からうろこだったり
時には、相談者の悩みと自分の悩みが重なったり
悩みは違えど、なぜか回答に心奪われたりすることもある。
今回、一冊の本にまとめられた人生相談を読みながら
なんなんだ、これは!と思った。
それは、普段、新聞紙上で、一日ひとつの人生相談に接する感覚と違うのだ。
人生相談一気読みによって
今まで、見えてなかったものが、見えてくる。
悩みの共通点というか、悩みの本質というか、悩む極意というか
そんなものがうすぼんやりと立ち現れるのだ。
それは、著者が、繰り返し、繰り返し、こう回答するからだ。
他者は思い通りにならない
世間の目
理想と現実のギャップ
自分ひとりの妄想
そうして、ぼんやり立ちあがったものが
自分の悩みに突き刺さる。
そうか、そういうことだったのか。。
悩みの種に、水をまき、肥料をやり、せっせと育てているのは
ワタシの心の持ちようだったというわけか。。
人生相談の奥義がここには、ある。
ぜひ、ご一読あれ。