いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「すごいトシヨリBOOK」池内紀

 

 

母は、いつまでも、母のままだと思ってた。

けど、母だって、当然、年を取る。70歳を超えたあたりくらいから、母が、祖母に似てきたなあーーと思い始め、母も年を取ったなあと思う時がぐんと増えた。

 

年を取るって、どんな感じなんだろ。。

 

で、手に取ったこの本。

「すごいトシヨリBOOK」

 

年寄り、、という言葉にふつうはあんまりいい印象はないのに、この本のタイトルと言ったら、年寄りを「トシヨリ」とカタカナに変換し、年寄りを形容するには使いそうもない「すごい」を「トシヨリ」の前につけ、そして、すごいトシヨリについて書かれた「本」を「BOOK」と英語にするという芸当を成し遂げてる。新鮮すぎ。。

 

どうして、このタイトルがつけられたかの理由も面白かったですよ。

 

さて、年を取った母のことを少しでも理解したいと思って読み始めたのに、すぐさま違和感を覚えた。

 

あれっ??これって、、夫のことじゃないか!?

 

本著には、トシヨリの特性とか老化現象などが、面白く解説してあるのだが、その内容が、夫に当てはまることが多すぎる。

例えば、人から聞いた話をさも自分が発信者のように話すとか、物の置き場所を変えるとすごく嫌がるとか、いつもせかせかして、全然急ぐ必要のない日常の雑事でも、時間通り、いやもうタイムレースかっ!!と突っ込みたくなるくらいの勢いで前倒しするとか。。

 

夫は、もともと若いころから、きれい好きだったし、せっかちなところはあった。しかし、年々それが強化されてきているなあとは、思ってたのだが、、ああ、あれは、老化だったのか。。

 

と、くすくす笑いながら読んでいたのだが、再び、あれっ!?と思った。

 

ここに書いてあること、ワタシのことかも!?

 

有名人の名前が出てこない、、若い人の言葉についていけない、やろうとしてたことをすぐ忘れる、、知らないうちに青あざができてる、、など。。

 

なんだ、ワタシも、着実にトシヨリへの道を歩んでいるではないか。。

 

この本を読んで、その事実に気付いたとて、全然落ち込むことはない。

だって、この本「すごいトシヨリBOOK」なのだ。ネガティブになるどころか、年を取ったら、そういうことができるんだなあ、、そういう楽しみ方があるんだあと、トシヨリの未来が明るくなる感じなのです。。

 

つまり、この本には、トシヨリとなった母のことがなんとなく理解できただけでなく、現時点でのワタシのトシヨリ具合まで確認できるというおまけまでついてたというわけ。

トシヨリ手前の世代、まだまだトシヨリじゃないよ~と思ってる人に、ぜひとも読んでほしい、そんな本である。