いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

「ニューカルマ」新庄耕

 

あれは、もう30年近く前のこと

私が就職してすぐの頃、、

高校時代の友達から、突然、電話がありました。

 

最後に彼女と会ったのは、大学2年生の頃で

それからは、なんとなく連絡が途切れていました。

だから、4年ぶりの突然の連絡に

びっくりすると同時に、本当にうれしかったんですよね。

 

なぜって、ワタシはその友達のことが大好きだったから。

 

久しぶりに彼女から連絡があって

会いたい、、と言ってくれて。

 

それから、数日後、彼女に会いました。

待ち合わせ場所は、近くのモスバーガーだったことを

今でも鮮明に思い出せます。

久々の再会に、どれほど話が弾むことだろうと

ワクワクして、そこに向かったこともよく覚えてます。

 

互いに何も変わってないと思ってました。

年はとっても、すぐに高校時代に戻れると心のどこかで期待してました。

近況報告や思い出話にどれほど花咲くかとその日を心待ちにしてたんですよ。

 

ところが、、

彼女が口を開いた途端、私の中で何かがガラガラと崩れ落ちました。

彼女が話し始めたのは、近況報告でも思い出話でもありませんでした。

ワタシの近況報告を聞きたげでもありませんでした。

 

彼女が、唐突に切り出したのは、「アムウェイ」のことでした。

 

彼女がワタシに会いたがったのは

ネットワークビジネスへの誘いが目的だったのでした。

 

不思議なことに

彼女に会うほんのちょっと前

ほかの友達からネットワークビジネスの話を聞いてました。

絶対誘いに乗ってはいけないと忠告を受けていました。

 

ワタシは、大好きな友達を前に、ぼう然としました。

目の前の友達は、ワタシのことを金脈に変えようとしているのだなと

ぼんやり考えていたら、心の中で泣けてきました。

 

以来、ワタシは、彼女からの連絡を一切断ちました。

 

「ニューカルマ」読後、彼女のことを思い出しました。

 

先日、日本アムウェイに違法勧誘による

6か月の取引停止命令が出て、再び、彼女のことを考えました。