いのししのひとりごと

ワタシノトリトメナイハナシ

門外不出のクリアファイル

中学生の息子は、とにかく忘れモノが多い。

「忘れ物」を「忘れモノ」と書いたのには、訳がある。

 

もちろん、物も当然のことながら、忘れるんだけど、、

 

提出期限を忘れる

日程を忘れる

手順を忘れる

したことを忘れる

言われたことを忘れる(言ったことは覚えている)

 

息子だけに関する忘れモノなら、

まあ、人間だもの、、忘れることもあるよねえ、、と

こちらも目をつぶる時だってある。

 

だけど、期限が決められた学校の提出物となると

親としては、気が気でない。

こちらは、提出期限に間に合うように持たせているのに

息子ときたら、カバンに入れた時点で

提出物の存在をすっかり忘れてしまうこともしばしば。

 

こちらは、すでに提出したものと思っていた提出物が

時を経て、彼の部屋から発見される事件が多発し

先日、ワタシの堪忍袋の緒が、プチンと切れてしまった。

 

大事なものだから、すぐに出しなさい、、うんぬんかんぬんと

彼にさんざんお説教をしたものの

それでも、どうにもこうにも、ワタシの腹の虫は収まらなかった。

 

そうして、ワタシは、怒りに任せ、クリアファイルに赤ペンでこう書いた。

 

 

以来、提出期限のある学校関係の書類は、これに入れてリビングに置いておくことにした。

提出日の朝、このクリアファイルから、書類を取り出す息子の目に

「提出物必ず出しなさい」の怒りの赤文字が、毎回飛び込むシステムである。

 

こうすれば、いくら忘れっぽい息子だって

母親のあの日の怒りの形相を思い出して

もう、お説教なんて、こりごり、、となって

必ず提出する、、とワタシは目論んだわけである。

 

そして、このクリアファイル、、

ワタシにとっては、感情丸出しの、ちと恥ずかしいモノであり、かたや息子にとっても、母親に思いっきり怒られたという、ちと恥ずかしいモノである。ゆえに、これは、決して、家の外に持ち出してはいけない、門外不出のクリアファイル。。

 

だと思っていたのは、ワタシだけだった(泣)

 

この一件から、しばらくたったある日のこと。

いつもの場所に、このクリアファイルがないことに気が付いた。

 

もしや、もしや、、まさか、まさか、

息子は、あのファイルごと、提出物を学校に持って行ったのか?!

 

学校から帰ってきた息子に、飛びつかんばかりの勢いで尋ねた。

すると、息子は、のんきにこう答えるではないか。。

 

息子「あー、あれね、今、学校の机の中にあるよ。。」

 

ワタシ「ち、ちょっと、待って。。あれ、誰かが見たら、恥ずかしいよ(汗)」

 

息子「平気、平気。。」

 

怒られたことも、お説教も、こうして、忘れていく息子であった。。